12月13日はパスタ禁止!パレルモのアランチーナの日とサンタルチア伝説

12/13/2018

シラクーサのドゥオモ広場に面して建つ「サンタルチア教会」

サンタルチアといえば、ナポリ民謡の♪サンタ〜ルチ〜ア〜を思い出す方も多いかもしれませんが、サンタルチアはシチリア島シラクーサの守護聖人

殉教した12月13日が、サンタルチアの日とされています。

目とシラクーサの守護聖人、聖人ルチアの生涯

シチリア南東に位置する美しい地中海の町シラクーサ。大ギリシャ(マグナ・グラエキア)時代の重要都市のひとつで、後期バロック様式の建物で構成された旧市街は、世界遺産にも認定されています。

そんな旧市街の中心地にある「イタリアで最も美しい広場」とも称される旧市街のドゥオモ広場に面して建つ、”サンタルチア教会Chiesa di Santa Lucia alla Badia”。ここには、サンタルチアの最期を描いた有名なカラヴァッジョの「サンタルチアの埋葬」が飾られています。

カラバッジョ作「サンタルチアの埋葬」

西暦283年に、貴族の娘としてシラクーサに生まれたルチアは、母親の長患いが、キリストの奇跡によって治癒したと信じ、熱心なキリスト教信者になりますが、当時のローマ皇帝ディオクレティアヌスの怒りに触れ、迫害の対象に。

繰り返された拷問の末、なんと両目をくり抜かれ、304年12月13日に命を落としました。

シラクーサ大聖堂ドゥオモ内のサンタルチア礼拝堂

酷い拷問を受けても、信仰を失うことなかったルチアは、両目が取られても”見る”ことができたと言われ、シラクーサを守る守護聖人であると同時に、視覚障害に苦しむ人々を守る“目”の守護聖人となっています。

ルチアの語源は、ラテン語のLucius(約束された光)。イタリア語のluce ルーチェにも、明るい、輝くなどの意味があります。

シチリアの州都パレルモでは、パンとパスタ禁止の日!

さて、そんなサンタルチアの日。シラクーサの対岸に位置する州都パレルモでは、別名「アランチーナの日」と呼ばれ、こぞって名物のアランチーナを食べる日でもあります。

パレルモのあるシチリア西岸では”アランチーナ”と発音(東岸ではアランチーノ)

それは、この日はパンやパスタが禁止されているから!

サンタルチアの奇跡に由来

飢餓に苦しんだ1646年の冬、パレルモの港に大量の麦を積んだ船が漂着し、パレルモ市民を救った…その日が奇しくも12月13日だったため、

「これは聖ルチアの奇跡?!」

参考 茹でた麦とリコッタクリームの伝統菓子『クッチア』もサンタルチアの奇跡に由来

というわけで、以来、12月13日は精製した麦(パンやパスタ)を食べず、サンタルチアに感謝を捧げることになっているのです。

パレルモでお米といえば…そう、アランチーナ!

パンやパスタが禁止となれば、残るはお米…。パレルモには、名物のアランチーナ(ライスコロッケ)があるじゃないか!ということで、アランチーナの日でもあるわけです。

パレルモには、本場だけにアランチーナの名店も数ありますが、伝統的な家庭では、大量に手作りも。大家族では100個以上作るなんて話もあります。

アランチーナを作ってみる?パレルモのマンマが教える本場のレシピ

12月13日は、パレルモではパン屋さんがお休みになりますので、旅行中の方はご注意ください♪

▼パレルモで「アランチーノ」と呼ぶと炎上するw?!という話。

cf:Balarm.it "Da Caravaggio a Garcia Lorca:;eggende, miti e cronache su Santa Lucia da Siracusa"

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