パレルモの美しい館|ナポレオンから逃避した王の別荘ーパラッツィーナ・チネーゼ Palazzina Cinese

パレルモを見下ろす小高い山モンテ・ペッレグリーノの裾野に広がる緑地地帯。かつて、王侯貴族の狩猟場だったラ・ファヴォリータ公園内に位置する瀟洒な館が、パラッツィーナ・チネーゼ(Real Casina Cinese)。

東洋美術を取り入れた18世紀の小さな宮殿

パラッツィーナ・チネーゼは、その名称通り、1600年代にヨーロッパで流行した東洋美術主義をまざまざと体現した個性的な内装、同時にフランス・英国折衷様式の影響を受けた絢爛さも兼ね備えた美しい”小さな宮殿”です。

1790年ごろ、デッラ・スカーラ男爵の狩猟中の別荘として建てられたものでしたが、両シチリア王国の当時の王様、ボルボン家のフェルディナンド4世の依頼により、1799年に建築家ジュゼッペ・ヴァナンツィオ・マルヴーリアが当初のエキゾチックなスタイルを踏襲し、王様用レジデンスに改築。現在の姿は、当時のものになります。

ナポリから、ナポレオンの侵攻を逃れシチリアへ

18世紀末、イタリアに侵攻中だったナポレオンがナポリに迫ると、ナポリに居を構えていたフェルディナンド4世は、妻マリア・カロリーナ(マリー・アントワネットの姉)を連れ、シチリアに逃れます。その際、避難用の別荘としての役割を果たしました。

※シチリアの名門ワイナリー”ドンナ・フガータ”(逃げてきた女性)の名前の由来は、このマリア・カロリーナ

19世紀のイタリア統一後は、一旦、サヴォイア家に所有が渡りますが、シチリア州に返還され、現在はツーリストも内部を見学できるようになっています。

地上3階、地下1階の美しい内観、巨大バスタブも!

ジュゼッペ・ヴァナンツィオ・マルヴーリアの見事な建築手腕が垣間見られる小さな館。内部構造は複雑で、小さな螺旋階段で上下4階を繋ぎます。各部屋の内装も見事!

天井だけでも、しばし眺める価値大。首が痛くなりますが、ため息が出ます。

王様&お妃様の”わがまま”をカタチにした画期的なテーブル

そして…ここの見どころは、なんといってもこのテーブル!

食事中に、ウェイターには出入りをして欲しくなかった王様ご夫妻のリクエストによって、料理がテーブルに届くエレベーターが内蔵されていたり(!)、ワイン、水、スパイスなど、食事中に必要なものをリクエストできるボタン(的な紐)が付いていたりと、画期的!

テーブルの下は…複雑怪奇な構造になってます。

プライバシーを最大限に確保する素敵なテーブルですが、ボタン(的な紐)でウェイターを呼ぶところは…ちょっとファミレス風でもあります・笑(ルイ15世のプチトリアノンにあったテーブルにヒントを得ています)。

見学後は、美しいお庭でひとやすみ。

パラッツィーナ・チネーゼ
Palazzina Cinese

Via Duca degli Abruzzi, 1  
Tel: 0917071402
月・日休、午前中(金・土のみ〜18時)、毎月第1日曜は、午前中のみオープン

※データは2022年5月現在。しょっちゅう変更になるのでググってね!

シチリア王国の首都として栄え、地中海3000年の歴史と共に生きてきた港街パレルモ。市内には、かつての栄華を伝える美しい”館”たちがいくつも現存しています。観れば圧倒される文化価値の高い、知られざるお屋敷・館をご紹介するシリーズ。世界遺産を見学した後は、シチリアそしてパレルモを知る館にも訪れたい!


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