パレルモのリアル社会を映し出す写真ジャーナリスト
レティツィア・バッタリア Letizia Battaglia
“パレルモとは、常に怒りと甘い失望と共にある。病んだ街が私の怒りを駆り立てる。ここから逃げたくなるが、できない。狂おしいほどに愛しいパレルモ。この街で私がすべきことは、まだたくさんあるのだ。”――レティツィア・バッタリア
パレルモ出身の写真家レティツィア・バッタリア。1974年から新聞‘Ora’のカメラマン・ディレクターとして活躍し、1980年代の最もマフィアの被害を受けた時代、その“真実”を数々発表してきたことでも知られています。センセーショナルな写真…目にしたことがある人もいるかもしれませんね。
写真は2016年3月5日オープニングイベントにて(以下同)
貧困、死、子供たち、政治家、宗教、そしてマフィア
この街を取り巻くすべてを映し出すレティツィア・バッタリア。1985年ヨーロッパの女性としては初となるEugene Smith Award賞を皮切りに、ドイツでThe Erich Salomon Prize賞、ニューヨークでCornell Capa Infinity Award賞など、数々の受賞歴を誇る国際的な写真家として活躍してきました。
そんな彼女の写真展は、常に世界中のどこかで開催されていますが、ただ今、ご当地パレルモにて大規模なアンソロジー展が開催中。パレルモ市文化評議会および市長オルランド、サンブーカ財団の協力の元、約140点もの作品を一挙に公開中です! 会場は、世界遺産「ジーザ宮殿」のお膝元にあるZAC ai Cantieri Culturali alla Zisa(ザック・アイ・カンティエリ・クルトゥラーリ・アッラ・ジーザ)。20世紀初頭、リバティ様式の家具メーカーDocrotの工場跡地に造られた文化施設を舞台に、繰り広げられる20世紀末から21世紀にかけて切り取られたリアルなパレルモ。期間にパレルモを訪れるなら、グルメやショッピング、観光のみならず、ぜひこのチャンスをお見逃しなく!
Letizia Battaglia Anthologia
会期:~2016年5月8日
会場:ZAC-Zisa Zonna Arti Contemporanee MAP
オープン:9:30~18:30 月曜休
料金:無料