パレルモの美しい館|リーゾ館 Palazzo Risoーシチリア州立現代アート美術館

05/14/2022

シチリア王国の首都として栄え、地中海3000年の歴史と共に生きてきた港街パレルモ。市内には、かつての栄華を伝える美しい”館”たちがいくつも現存しています。観れば圧倒される文化価値の高い、知られざるお屋敷・館をご紹介するシリーズ。世界遺産を見学した後は、シチリアそしてパレルモを知る館にも訪れたい!

パレルモ旧市街、ノルマン王宮に続くメインストリート沿いには、多くの「貴族の館」が建ち並んでいます。ボローニ広場Piazza Bolloniを見下ろすように建つリーゾ館 Palazzo Risoもそのひとつ。

第2次世界大戦の爆撃から再建、現代アート美術館に

もともとスペイン王国支配時代にアラゴン家によって建設された館があった場所で、イタリア貴族、ベルモンテ王ジュゼッペ・エマヌエーレ・ヴェンティミリアが宮殿建設の計画を立てたのが、1784年

当時シチリアで活躍していた建築家ジュゼッペ・ヴェナンツィオ・マルヴリアによって、後期バロック様式から新古典様式への移行期らしい、両様式をミックスした建築で完成しました。

19世紀に、ジョバンニ・リーゾ男爵家に渡り、ベルモンテ・リーゾ館(もしくはリーゾ館)となりますが、第2次世界大戦中の爆撃でほぼ崩壊。1986年にシチリア州が買収し、修復が施され、2005年より現代アートの拠点”シチリア州立現代アート美術館”として解放されています。

40年未解決、パレルモ上空で起きた飛行機事故をテーマにしたアート展

コレクション展示から期間限定のアートイベントが開催されるリーゾ館。

2022年5月6日から、40年未解決の謎の事件として知られるイタビア航空870便事件(Strage di Ustica)をテーマにしたアート展がスタートしました。

オープニングプレビューにて
点字で表現された作品

81名もの死者を出した惨劇ながら、その原因(リビア軍機説、NATO空対空ミサイル説、テロ説など様々)と責任の結論が出ないままの謎の事故となっていますが、消えゆく記憶を芸術を結びつけ改めて問い続けるアーティスト、ジョバンニ・ガッジャの試みです。キュレーターはデジレー・マイダ。会期は6月26日まで。

詳細INFO: Quello che doveva accadere


リーゾ館 Palazzo Riso
シチリア州立現代アート美術館
Via Vittorio Emanuele, 36


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