順調に減少するイタリアの感染状況 学校のルールが大きく変わる
2月1日にグリーンパス提示義務エリア強化など、新規規制が追加になったイタリアですが、順調な減少傾向を鑑み、2月2日に早くも緩和規制に向けた首相令が閣議を通過。
2月7日から、随時緩和に向けた方向に進みます。
感染状況は新規感染者数も10万人を切り、陽性率も10%、実効再生産数が1を切り、病院にも余裕が出てきた中での決断(ワクチン接種率は文末に)。
“ラスト首相令”(コロナに関する)とも呼ばれていますが、そうであることを願いつつ、詳細をご紹介します。
※現時点(2022年2月8日)での規則です。状況に応じて変更が加わる可能性があります。
2月7日から変わる学校、検疫期間、グリーンパスの有効期限
陽性者が確認されたクラスのオンライン移行ルールーワクチン済みなら対面継続
第4波となるオミクロン波が拡大してから、イタリアでは、グリーンパス取得(ワクチン接種)以外で最も力を入れているのは、学校の規制強化・緩和です。
ご存知のように子供たちの間での感染拡大が懸念され、オンラインへの移行ルールや濃厚接触者の隔離期間などが随時、変更追加されてきました。
ビアンキ文化相は、2月2日に今回の首相令が閣議決定された時の会見で「0〜6歳児(保育園・幼稚園)の23.3%、小学生の22.5%、中学生の15.8%が陽性もしくは濃厚接触者としてオンライン授業に参加しています。オンライン授業は、困難な時期に生徒とのつながりを継続できるのが素晴らしく、この2年間で標準化されたツールではあるが、私たちが選択したのは、対面授業を優先すること。」と発言。スペランツァ保険相も「学校については、非常に強い選択をした」として、ワクチン接種済み生徒の対面授業継続の決定を発表しました。
▶︎2月6日までの学校ルールはこちら。かなり細かい!
幼稚園・保育園
クラス・グループ内に、陽性者4人まで対面継続。4人目の陽性者が発覚してから10日間は、先生はffp2マスクの使用義務。陽性者5人以上で、5日間の活動停止。
小学校
クラス内に、陽性者4人まで対面継続。4人目の陽性者が発覚してから10日間は、先生および6歳以上の生徒は、ffp2マスクの使用義務。
陽性者5人以上でも、ワクチン接種した生徒および罹患からの回復があった場合(それぞれ120日以内)は、対面授業。ワクチン未接種、接種および罹患からの回復から120日以上の生徒は、5日間のオンライン授業+5日目の検査陰性で対面授業へ。
※5人目の陽性者とは、4人目の確認から5日以内に確認された場合を指します。
幼稚園・保育園・小学校では、4人目の陽性者が出るまでの期間、症状があった場合は自己検査(抗原またはPCR)によって健康観察が続けられます。
中学校/高校
クラス内に、陽性者1人までは、先生・生徒ともにffp2マスクを使用して対面授業継続。陽性者2人以上で、ワクチン接種した生徒および罹患からの回復があった場合(それぞれ120日以内)は、対面授業。それ以外の生徒は、5日間のオンライン授業+5日目の検査陰性で対面授業へ。
この緩和策で街からは「ワクチン未接種者への差別だ」「検査が緩くて不安」などの声も多く上がっているので、様子を見て変更もあり得るでしょう。
cf. Tamponi fai da te, quarantena e dad: tutte le nuove regole sulla scuola
ワクチン3回接種済みならグリーンパスは無期限
何かと生活に必要になってしまったグリーンパス(ワクチン接種・罹患回復・陰性証明)。2月7日からは、ワクチン3回目接種済み、および2回接種+罹患からの回復で、有効期限が無期限になります!
現在のワクチンでの4回目接種はない。とのこと。
ちなみにワクチン接種2回または1回接種+罹患回復は6ヶ月のままです。
また、各州の危険度別色分けシステムは継続し、グリーンパス所持者はレッドゾーン地域(ロックダウン)でも制限なしに。ワクチン未接種者のみがロックダウン対象になります。
ワクチン未接種者の濃厚接触者も検疫期間の短縮
濃厚接触者の検疫期間は、ワクチン接種者を対象にだいぶ短縮されていますが、今回、未接種者も無症状の場合は10日間→5日間に短縮。ただし、5日目に検査陰性で解放+その後5日間はffp2マスクの使用が義務付けられます。
ワクチン接種者(120日以内)は、現状と変わらず。無症状の場合は自己管理+10日間のffp2マスク着用義務です。
2月11日から外マスク義務が解除!
現在、全国一律で義務付けられているマスク着用義務。2月から外でのマスク義務が解除に!
室内でのマスク義務は継続です。
当初はホワイトゾーンのみでの外マスク解除予定でしたが、全国一律に変更修正がありました。
また、2月11日からは現在閉鎖中のディスコ・クラブも再開。ただし、スーパーグリーンパス(ワクチン接種か罹患からの回復のみ)の提示義務は継続です。
3月31日に緊急事態宣言解除
延長に次ぐ延長で、ほぼ2年間継続していた緊急事態宣言の期限が、3月末まで。このまま順調に進めば、解除されることになりそうです。
6月15日にワクチン義務解除
50歳以上、また医療関係者や老人ホームスタッフ、学校関係者、警察官等に課せられているワクチン義務も、解除。
しかし、グリーンパスの提示義務等は、少なくとも夏までは継続されることになりそうです。
2月2日の会見時点で、イタリアのワクチン接種率は2回目接種が81.1%、3回目接種58.1%。検査体制の整備や病院にも余裕がある状態での規制緩和となりますが…緩和によって再拡大による再規制強化がないとも限りません。
このままロードマップ通りに進むと良いのですが!
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