10月中旬から、イタリアでも美味しそうな栗が出回ります。実は、イタリアは栗の生産量欧州トップ。世界でも第6位で、日本(9位)より多く生産されています(2019年データ)。
イタリア全国にある栗の名産地
栗は、イタリアの北から南の各地で収穫されますが、特に知られるのが、
- クネオ(ピエモンテ州)
- サン・ゼーノ(ベネト州)
- カプレーゼ・ミケランジェロ(トスカーナ州)
- ヴァッレラーノ(ラツィオ州)
- モンテッラ(カンパニア州)
- ロッカダスピデ(カンパニア州)
などなど。他にもまだまだ、北から南まで、名産地(IGP、DOPの産地)があります。
カスターニャ とマロンの違い
イタリア語で栗は、Castagnaカスターニャ とMarroneマッローネの二つの呼び名がありますが、どちらもヨーロッパ栗。ざっくりと分けて粒の大きなものをマッローネ(マロン)と呼んでいます。
”焼き栗売り”や栗ドルチェは、イタリアの秋の味覚
秋のイタリアの街角で、こんな風景を見かけたことはありますか?
これは、焼き栗売り。焼き栗”Caldarrosta”、焼き栗りを売る人を”Caldarrostaroカルダッロスターロ”と呼びます。
大きなフライパンから、細いドラム缶のような筒状の器具まで、栗を焼くスタイルはさまざまですが、紙筒みに入れた熱々の焼き立ての栗を、食べ歩くのは全国で体験できるでしょう。
近くの山へ栗拾いに行き、暖炉でカサカサカサと作る焼き栗も、また美味!日本の焼き芋並みに親しまれているイタリアの栗です。
マロン・グラッセやモンテ・ビアンコも
素朴な焼き栗以外にも、栗を使ったドルチェも秋の味覚です。例えば、大きな栗を使った”マロン・グラッセ”。
ミラノやフィレンツェの老舗パスティッチェリア、ジョバンニ・ガッリやフィレンツェのジッリなどが有名ですが、イタリアの各地のパスティッチェリアで、それぞれに美味しいマロングラッセが見つかります。
栗のお菓子といえばモンブランを思い出しますが、実は、ピエモンテの伝統家庭菓子”モンテ・ビアンコ”が発祥とか。
「白い山」を意味するモンブラン(モンテ・ビアンコ)。アルプス山脈の麓に広がるピエモンテで、白く雪を被ったアルプスを眺めながら暮らす人々の間で生まれた…というのは、なんだか納得できますね。
侮れない豊富な栗の栄養素
ところで、栗の栄養価は思いのほか、高いのをご存知でしたか?
イタリアでは“pane dei poveri(貧しい人のパン)"と呼ばれるほどで、小麦粉が手に入らない地域の人々は、パンやパスタの代替に、また栗の粉で作ったパンを食べていたと言います。
カリウム、マグネシウム、リン、亜鉛などミネラル分、ビタミンもB、E、Kが豊富。また葉酸や鉄分も豊富。たっぷり含まれる食物繊維で腸内環境の調子を整え、悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。
カロリーが高めなので食べ過ぎはNGですが、身体の調子を整え活力を与てくれる栗。
冬に向かうこれからの季節に、上手に取り入れて、冬を乗り切る準備を着々と進めたいものですね。
栗料理のレパートリを増やしてみない?
チンチアさんの身体に効くイタリア料理レッスン Vol.13は、栗三昧のメニュー3品を予定しています。題して、栗タリアン Kuritalian・笑。お気軽にご参加ください♪
▼ピエモンテから生中継!レッスンの模様はこちらから