イタリアは、なぜ3月19日が父の日?
3月19日は、キリスト教におけるサン・ジュゼッペの日。
サン・ジュゼッペは、ジェス・キリストのパパであり、父親のモデルでもあります。そのため、イタリアではサン・ジュゼッペの日を父の日として、キリストのお父さんでもない普通のお父さんも合わせてお祝い♪というわけです。
サン・ジュゼッペの日=父の日制定の歴史
サン・ジュゼッペの伝説は、中世時代にはすでに西欧に広まり、14世紀頃には各地で祝宴が行われていた言われます。正式に祝祭日となったのは、1439年。当時の教皇シクストゥス4世が認定しました。
その後、1871年にカトリック教会が、サン・ジュゼッペは用心深さと摂理のある良い父親の見本であり、すべての父親と全世界の教会の守護聖人であると宣言。以来、サン・ジュゼッペの日=父の日となっています。
イタリアでは1977年までは祝日でしたが、その後は平日扱い(お父さん、ちょっとかわいそうですねw)。欧州の一部では、今も祝日となっている場所もあります。
イタリア各地で違う父の日の伝統菓子
そんなわけで3月19日は、イタリア全土で父の日ですが、食べる伝統菓子が各地で微妙に異なります。
代表的なのはナポリのゼッポラ
特に有名なのは、ナポリのゼッポラ。ゼッポラ・ディ・サン・ジュゼッペでしょう。生地をドーナツ状に巻いて揚げた生地にクリームとチェリーを乗せたお菓子です。
ローマでは、ビニェ・ディ・サン・ジュゼッペ。トスカーナやウンブリアでは、お米を牛乳で茹でてヴィンサントや柑橘の香りをつけて作った生地を揚げたフリテッレ・ディ・リーゾ。ロンバルディアや北イタリアでは、揚げドーナツ風のトルテッリ・ディ・サン・ジュゼッペがあります。
シチリアはスフィンチェ・ディ・サン・ジュゼッペ!
そしてここシチリアは、スフィンチェ・ディ・サン・ジュゼッペです。さっくりと揚げた生地にリコッタクリームをこれでもか!と詰め、さらに上にもたっぷり。ピスタチオクランチとオレンジピールの砂糖漬けを飾ります。
サイズ的には、チワワくらい。もし一人で全食したら3日くらい絶食しても生きていけそうな超絶ボンバーハイカロリーな逸品ですが、名店のそれは極ウマ。
ムリムリ言いながら、結局全部食べてしまうのが、毎年のお約束です。いつかこの日にシチリアを訪れることがあったら、ぜひご賞味ください!
▼現地では…