3日目AM ワンコと一緒に森でトリュフ狩り!犬の能力に感激!
ランゲからモンフェッラートへ、ウェルカムドリンクはヤギ乳
朝7時。カーテンを開けると、霧の中にひっそり佇むバローロ村が輝いていました。
バローロのあるランゲ地区から、隣のモンフェッラート地区へと移動です。今日の目的は、トリュフ狩り!
葡萄畑が広がる田園風景から一転、こんもりと森が茂る丘を登って、トリュフ狩りの拠点となるヤギ農家さんに到着すると、さっそくウェルカムドリンク。
最近、アレルギー体質の子供にも優しいとかで、スーパーマーケットでもヤギ乳をよく見かけるようになりました。味わいは、牛乳よりさっぱり目。
ヤギ乳のPHを計測するアプリなど、ちょっと珍しいものを見せていただき、いざ、森へ!
愛情と信頼で、土の中から香るトリュフを探す
今回お世話になるタルトゥファイオ(トリュフ狩り職人)のファビオさんと、トリュフレーダーとして活躍する愛犬レディちゃん。
トリュフの匂いを嗅ぎ分けて、飼い主に教える…なんてことができるワンコだけに、過敏でちょっと神経質だそう(まあ、そうでしょうね)。レディちゃんに機嫌よくいてもらうためにも刺激しないように…恐る恐るご挨拶などをしw、トリュフ探しに出発です。
まずは、黒トリュフが生育するらしいノッチョーレの森の中へ。
キャッキャ♪とすぐ後をついて行こうとしたら、ストップがかかりました。
「レディの気が散るから遠くで見てて」と。
地面の中から香る芳しいトリュフの香りを、クンクン探す間、周りがワーワーうるさい、そして嗅ぎ慣れない人間の匂いは、とても邪魔になるそうです。
しかし!まだ近づけません。
ファビオさんがしっかりとレディを褒めて、褒めて、褒めまくり、レディが満足するのを待つ必要があるから。
実は、このタイミングが最も大事なんだそうです。
犬と人間が共同作業をするときに一番大事なこと、それは、愛情と信頼。
達成感と満足感。しっかり褒め称えることで、ファビオさんへの愛情と信頼が深まります。すると、ますますよく働いてくれるようになる。というわけです。
しばし2人のラブラブを遠くから見守り、やっとファビオさんのOKが出たので、足早に近づいてみました(人間たちは興奮が抑えられないw)。
おお!
コロンと手の中におさまる黒トリュフ!
レディのポテンシャルの高さに驚きますが、これはまだ準備運動みたいなもの…。(うるさい)人間たちの存在に、ちょっと慣れさせてから、本番の白トリュフゾーンへ移動します!
白トリュフは見つけられるか?
白トリュフが生育する樫の木の森を歩く2人を、遠くで見つめます(人間も学ぶ)。
5分…10分…また、見つけたようです!
でも…今回は、レディがこっちを睨んでますw!
これは…「私が見つけたパパの宝物!渡さないわよ!」ってところでしょうか。すごいなぁ。
でも、ファビオさんのOKが出ると、レディも睨みつけるのをやめてくれました。本当に賢いですね。
白トリュフ発見!犬の能力の素晴らしさに感動
ファビオさんが指差してくれた先を見る…。
どれどれ?
見ても石にしか見えませんでしたが、香ってみると、すんごい濃厚な白トリュフの香り。すごい!犬、すごいーーーー!!!!
みんなで、回し嗅ぎをした後、ファビオさんに返しました(また睨むから…)
地面の中にまだあるトリュフ。それを見るのが、まず大変興味深かったですが、何しろ、心を打たれたのは、ファビオさんとレディさん(←もはや「さん」付け)の関係です。
レディさんは、ただただ大好きなファビオさんのために、見つけたい。ファビオさんに喜んでもらいたい一心で、トリュフを探すそうです。
ゆえに「パパに見つけたトリュフは誰にも渡さない!」みたいなムードもあり、うかつに「かわい〜」とか言って撫でたりはできない緊張感みたいなものもありましたが、それはそれで、カッコよくもありました。真剣に取り組む姿は、人間も犬もカッコイイもんです。
訓練は、生後数ヶ月から始めるそう。バリバリ掘り返して、トリュフを砕いてしまってもダメなので、見つけて、かつ寸止めできる能力が求められる…。
商業化して大々的にやっているケースだと、犬が齧らないようにマズルカバーつけていたりもしますが、レディさんには、不要。相当の犬なのです!
いや〜良いもの見せてもらった!とここで帰りそうになりましたが、我らの目的はここからでもあります。
採れたての白×黒トリュフを好きなだけ削って!
ランチは、チーズ工房でやぎチーズ尽くし…というちょっと珍しいメニュー。
ストレスを一切感じず育つヤギたちのチーズは一切臭みがなく、ヤギチーズ嫌いでも食べられる不思議を体験しました。
そんなヤギチーズに、採れたての白トリュフを大盤振る舞いがけ。
炭をまぶして熟成させたヤギチーズや、唐辛子ジャムをつけていただくフレッシュヤギチーズなどなど…まさにヤギチーズ尽くしのランチをいただきました。
最後の締めは、卵かけゴハン!ならぬ、白トリュフがけ卵!!!
今年は、猛暑で不作の年ではありますが…レディが見つけた3個の黒&白のトリュフ。小さいけれど、愛がたっぷり詰まった宝石のようなトリュフたちでした。アモーレ・トリュフ。
本当に感動しましたよ〜!
さあ次は、午後は家族経営の小さなワイナリーに行きますよー!
3日目PM:家族経営のワイナリーと街道沿い系穴場トラットリア
家族愛に心打たれた小さなワイナリー
白トリュフの香りをまといながら、次に向かった先は、ピエモンテ原産の”ルケ”のワインを造る家族経営の小さなワイナリー。
もともと伝統の原産種葡萄”ルケ”の産地として知られる土地ながら、時代が変わり畑を手放す人が多く、生産が減る一方だったルケの畑を少しずつ買い足し、継続してルケを中心に栽培している農家さんです。
DOCGにも認定されているルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート。
酸味のバランスが程よく個性的ながら飲みやすいワインです。他、コルテーゼ、バルベーラ、ドルチェット…など、ピエモンテの普段着ワインも試飲させていただきました。
かつて大きな樽をリヤカーで引いて、ロンバルディア州までワインを売りに行っていたおじいさんが、大樽に手書きした家名をプリントしてロゴに…なんて話を聞いた愛情深い皆さんは、買わずにはいられない…。
数十本をまとめて日本へ郵送となりましたw。
地元客しかいない!街道沿いの穴場トラットリア
夕食は、街道沿いにポツンと現れるしっぶい老舗のトラットリアで、コッテコテの家庭料理を体験です。
街道沿いのラーメン屋。みたいなノリの店で、観光客はまったくいません!
アルミのお皿に大盛りにした名物郷土料理の数々を居酒屋風に取り分けるのが楽しい。
巨大ペペローニのバーニャ・カウダ、牛タンとビテッロ・トンナートのアンティパストから、プリモは、手打ちパスタ2種類です。
これでもう、日本人的にはお腹いっぱい。シチリアだったら、ここからが底力の見せどころ…食べろ食べろの”マンジャ地獄”がないのが、ピエモンテの良いところですねw。
濃厚な3日目を終え、明日は、定番のオリーブ収穫。ノヴェッロを味わって、名産のお米料理、そしてお菓子の街で活躍する日本人です!